「電子工作を始めてみたいけれど、何を買えばいいのか分からない」。通販サイトで「電子工作」と検索すると、何百種類もの部品やキットが並び、最初の一歩で止まってしまう方は少なくありません。
この記事では、最初に買うべきものを4つだけに絞って紹介します。合計5,000円前後からそろえられ、届いたその日にLEDを光らせるところまで進められます。
運営者の倉屋敷は、学生のころから50年ほどマイコンを使ったものづくりを続けてきました。昔ははんだ付けが欠かせませんでしたが、今ははんだごてを使わなくても電子工作を始められる時代です。道具も、最初は最小限で十分です。
結論:最初に買うのはこの4つだけ
| 買うもの | 役割 | 目安の価格 |
|---|---|---|
| ① マイコンボード | プログラムを書き込んで動かす「頭脳」 | 2,000〜5,500円 |
| ② ブレッドボード | はんだ付けなしで部品を差し込める土台 | 500円前後 |
| ③ ジャンパーワイヤー | ボードと部品をつなぐ配線 | 900円前後 |
| ④ USBケーブル(データ通信対応) | パソコンとボードをつなぐ | 1,100円前後 |
この4つがあれば、パソコン(Windows / Mac)と組み合わせて電子工作を始められます。はんだごてやテスターは、まだ買わなくて大丈夫です。理由は後半で説明します。
予算別のおすすめセット
| コース | 内容 | 合計の目安 | こんな人に |
|---|---|---|---|
| ESP32コース | ESP32 + ブレッドボード + ジャンパーワイヤー + USBケーブル | 約5,000円 | とにかく安く始めたい・スマホとつなぐ工作をしたい |
| Arduinoコース | Arduino Uno R4 WiFi + 同じ3点 | 約8,000円 | 入門書を見ながら基礎から着実に学びたい |
| M5Stackコース | M5Stack Core Basic(+USBケーブル) | 約1万円〜 | 配線をせず、画面付きの作品をすぐ作りたい |
※価格はAmazonでの目安です。時期やショップによって変わるので、購入前に確認してください。
どのボードにするか迷ったら、マイコンボードの選び方で詳しく比較しています。
① マイコンボード:まずは1枚
マイコンボードは、書き込んだプログラムどおりにLEDを光らせたり、センサーの値を読んだりする電子工作の「頭脳」です。最初の1枚なら、次の2つのどちらかがおすすめです。
安く始めるなら ESP32
Wi-FiとBluetoothを内蔵していて、スマホから操作する工作にも発展できます。2枚セットで2,000円台と安く、失敗を気にせず試せるのも初心者にはうれしいポイントです。
基礎から学ぶなら Arduino Uno R4 WiFi
電子工作の入門用として長く使われてきた定番です。入門書や解説サイトが最も多いので、分からないことがあっても調べやすいのが強みです。
② ブレッドボード:はんだ付けなしで回路が組める
ブレッドボードは、穴に部品やワイヤーを差し込むだけで回路が組める板です。内部で決まった列同士がつながっているので、はんだ付けをしなくても配線ができ、何度でもやり直せます。
最初は400穴程度の小さいサイズで十分です。作品ごとに使い分けられるよう、複数枚あると便利です。
③ ジャンパーワイヤー:ボードと部品をつなぐ
ジャンパーワイヤーは、両端がピンや差し込み口になっている配線用のワイヤーです。先端の形によって3種類あります。
- オス-オス:ブレッドボード上の配線に使う(いちばんよく使う)
- オス-メス:ボードのピンや、センサーのピンとブレッドボードをつなぐ
- メス-メス:ピン同士を直接つなぐ
最初は3種類が混ざったセットを買っておくと、どの作例にも対応できます。
④ USBケーブル:「データ通信対応」を必ず選ぶ
パソコンからボードにプログラムを書き込むために、USBケーブルが必要です。ここで初心者が最もつまずくのが「充電専用ケーブル」です。
スマホの充電用などに付いてくるケーブルの中には、電気は流れてもデータを送れないものがあります。これを使うと、ボードのランプは点くのにパソコンがボードを認識せず、プログラムを書き込めません。必ず「データ転送対応」「データ通信対応」と書かれたものを選んでください。
また、ボードによって端子の形が違います。Arduino Uno R4 WiFi・ESP32(Type-C版)・M5StackはType-C、Raspberry Pi Picoはmicro USBです。
USB Type-C ケーブル(データ通信対応・2本セット)
パソコンとボードをつなぐケーブル。充電専用ではなく、データ転送に対応したもの。Arduino Uno R4・ESP32・M5Stackに対応。※Raspberry Pi Picoはmicro USBなので、別のケーブルが必要です。
目安価格:1,100円前後
あると便利なもの
4つをそろえたら、次に用意したいのがLEDと抵抗です。最初の作例「Lチカ(LEDを点滅させる)」で使います。多くのボードは基板上にもLEDが付いているので、なくても書き込みの確認はできますが、ブレッドボードで回路を組む練習には欠かせません。
LED・抵抗・スイッチ・センサーなどがまとめて入った「スターターキット」を買うのも一つの方法です。手元に部品がそろっていると、作例を見てすぐに試せます。
Arduinoを選んだ方は、入門書が1冊手元にあると安心です。
まだ買わなくていいもの
電子工作の道具には、ほかにもいろいろあります。ただ、最初から全部そろえる必要はありません。
| 道具 | いつ必要になる? |
|---|---|
| はんだごて | ピンヘッダーの取り付けや、作品を完成品として仕上げるとき。ブレッドボードで試しているうちは不要です |
| テスター | 「動かない」原因を電圧で調べたくなったとき。2〜3作品作って慣れてきた頃で十分です |
| 安定化電源 | モーターなど電気を多く使う部品を動かすとき。最初はUSBからの電源で足ります |
| オシロスコープ | 通信の波形を見るなど、本格的な調査をするとき。趣味の範囲なら長く不要です |
50年前は、マイコンを動かすだけでもはんだ付けと配線が山ほど必要でした。今はブレッドボードとUSBケーブルだけで、はんだごてを使わなくても始められます。まずは動かしてみて、「もっとこうしたい」と思ったときに道具を足していくのが、長く楽しめるコツです。
届いたらまずやること
- パソコンに開発環境をインストールする(Arduino・ESP32なら「Arduino IDE」)
- USBケーブルでボードとパソコンをつなぐ
- サンプルプログラム「Blink(LED点滅)」を書き込む
- ボード上のLEDが点滅すれば成功!
ここまで来れば、あとはブレッドボードにLEDや部品を差して、少しずつ回路を広げていくだけです。
よくある質問
Q. スターターキットと、バラで買うのはどちらがいい?
何を作りたいかがまだ決まっていないなら、スターターキットが手軽です。作りたいものが決まっているなら、この記事の4つをバラでそろえ、作例に必要な部品だけ買い足す方が無駄がありません。
Q. パソコンはどんなものでもいい?
Windows・Macのどちらでも使えます。USBの差し込み口が必要なので、Type-Cの口しかないパソコンの場合は、変換アダプターかType-C to Type-Cのケーブルを用意してください。
Q. 子どもと一緒に始めても大丈夫?
大丈夫です。USBから給電する電子工作は電圧が低く、はんだごても使わないので、やけどの心配もありません。ただし、細かい部品の誤飲には注意してください。
まとめ
- 最初に買うのはマイコンボード・ブレッドボード・ジャンパーワイヤー・USBケーブルの4つだけ
- 予算は5,000円前後から
- USBケーブルは必ずデータ通信対応を選ぶ
- はんだごてやテスターは、慣れてからで大丈夫
道具がそろったら、マイコンボードの選び方もあわせて読んで、自分に合ったボードで最初の作品に挑戦してみてください。
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